朱川湊人氏の文庫本が出た。
「水銀虫」である。
- 作者: 朱川湊人
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 文庫
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (12件) を見る
人間の悲しさが描かれるのが彼の作品の特徴である。
7本の短編作品が収められている。
この中で私が印象に残ったのは、
「薄氷の日」である。
いじめのくだりは胸が痛むが、
終わりまで読んで納得するのは、
私に因果応報を信じたい気持ちがあるからだろう。
電話で話したとき、朱川氏はこの本について、
「暗い話だけどな。」
と言っていた。
確かにそれはそのとおりだったが、
朱川作品らしい秀作揃いだと思う。