経理実習

前回のこの「自分探し」で、
サラリーマン時代の販売店実習のことを書いて、
いろいろ思い出したので、それも書いてみようと思う。
導入研修終了後、
工場のラインに入って働く製造実習が終わり、
売店で働く販売実習を経て、経理実習となる。
工場内の作業の効率化を探るために、
ラインでの作業者の動きを細かく分析することがあった。
組み立て工程では、作業員は忙しくしているものの、
検査工程では女子作業員が暇そうにしていて、
髪の毛をいじくっていたり、さらには寝ている者もいた。
その現場を見たので、
日々書かなければならないレポートに書いておいた。
それを見た経理部長が怒って、製造現場を叱りつけ、
結果としてそのラインはなくなってしまった。
製造現場の人間は、数人いた研修生のうちで、
私が書いたものだと知ったらしかった。
私自身も、自分の書いたレポートで、
まさかラインがなくなるとは思ってもいなかったのだが、
作業員がのんびりしていて、また居眠りしていたのは本当なので、
表立って文句は言われなかったものの、
随分恨まれたようであった。
そのことで私も少々嫌な思いをした。
しばらくして、同期の友人達と飲みに行ったとき、
その話を彼らにした。
すると、普段あまり話したことのなかった同期の友人が、
「でも、おまえは正しいことをしたんだからな。」と言った。
その言葉で随分救われた気がしたものだった。