書道(3)

中国留学中に、課外講座で書道があった。
中国では「書法」というが、
この先生が面白い人だった。
書はもちろん、それに付随する篆刻もやる。
さらに水墨画も描き、笛の演奏もする多芸の人だった。
書でも、両手で筆を持ち、左右別々の字を書く、
という曲芸まがいのこともやっていた。
人柄も、こちらが自然と和んでくるようないい人だった。
また、テレビで見たのだが、
若手俳優がいろんな国に行って体験学習する、
という番組があるが、
これで中国に行って書を学ぶという回があった。
もともと字の上手くないその俳優が、
書の先生から、「一」をひたすら書くことを命じられる。
また、何か鉄の珠のようなものを、
絶えず手の中で回すように命じられたりする。
そうした修行が、
まるでカンフー映画のようだったのが面白かった。
その俳優も真面目な人で、一生懸命練習して、
ついには書展で敢闘賞のような賞をもらうまでになる。
日本にも書道があるが、
少なくとも私が知る書道と中国の書法は、
書き方や修行法などでは、かなり趣が異なるようである。