書道(1)

先日の授業で、書道の話になった。
かつて中国へ短期留学に行っていたとき、
書店の書道コーナーの前で、
多くの若い人が立ち読みをしているのを見た。
また、町中の道路沿いでスイカを売っている若者がいた。
下を向いて何かやっているので、のぞき込むと、
新聞紙に筆で何度も何度も字を書いて練習していたのだ。
さらに、大学時代に鄭さんという留学生がいた。
同じ学科で同じ授業を取っていた。
ある科目で、いい加減な勉強しかしていなかった私は、
鄭さんにノートを見せてもらった。
ノートを開けてみてびっくりした。
ものすごい達筆で書かれたノートだったのだ!
だいたい授業のノートというのは、
後で清書するようなことがなければ、
あまり時間がないので走り書きになりがちだ。
鄭さんが清書しておられたかどうかは忘れたが、
いずれにせよ、あんなに達筆のきれいなノートを見たのは、
後にも先にもこれっきりだった。
中国の書道における深さ、層の厚さを思い知らされる。