インドの思い出

インドは好きな国の一つだ。
何回めだったろうか。
家内とインドに行ったとき、
かつてマドラスと言っていたチェンナイから、
車で約4時間の田舎町に住んでいる知り合いの家に行った。
のどかなところだった。
朝は日の出とともに起き、夜は日の入りとともに寝る。
犬や豚や鶏があたりまえのように歩き回り、
時に大きい声で鳴くクジャクにも会う。
食事は毎日カレーだがおいしいし、
時々飲むラッシーやチャイも素晴らしくおいしい。
ある夕暮れ時、散歩で歩き回っていて、
突然空が曇って雨が降り始めた。
雷も鳴り、まもなく土砂降りになった。
近くの料理屋の主人が手招きで、
雨宿りしていけと招いてくれたので、
同じく雨宿りしている犬と並んでしばらく雨を避けて坐る。
やがて町全体が停電になった。
真っ暗だ。
時折起こる稲光で、あたりが一瞬見える。
すると、遠くの寺院で飼われている象が
あたふたと動き回っているのが見える。
何とも幻想的で、また癒される光景であった。