晏子(2)

晏子」を一気に読み終えて感動した。

晏子(四) (新潮文庫)

晏子(四) (新潮文庫)

続きが気になって一気に読めるのは、前半である。
つまり親の晏弱の方だ。
晏弱は政治家であり、軍略家で、人格者であるから、
次々と苦難が降りかかるのを、見事に解決する。
だから次々と読み進められるわけだが、
子の晏嬰は、政治家で人格者ではあるが、
軍略家であると言えるほど、軍を率いた活躍はしない。
むしろ聖人であって、学を深め、己の道を徹底させることによって、
人望と信頼を集める。
その存在自体が人を感化するようになる。
太極拳風に言えば、人としての功夫が深いので、
特に派手な動きをしなくても、周りが収まっていく。
私には、この方がすごいと思える。
晏嬰が最後に仕えた、凡愚と言われる景公が、
晏嬰の死を知って、必死で駆けつけて泣くところは感動的だ。
これまで名前だけは知っていた晏子が、
今回この本を読むことで、
こういう人がいたのだ、と知ることが出来てよかった。