北京の寒さに強いおじさん

今日の大阪も寒かった。
2月だから寒いのも当たり前かもしれない。
しかし、北京の寒さはもちろんこんなものではない。
さらに東北になると想像を超えるレベルだと思う。
1984年2月、初めての海外旅行で北京へ短期留学に行った。
まず最初に驚いたのは、川が凍っていて動かないことだった。
そんな光景は初めて見たので、まったく面食らってしまった。
本当に、血も凍るような寒さだと思った。
学校側の配慮で、毎朝6時からグランドで太極拳を習えた。
最も普及している簡化24式太極拳であった。
寒いので手袋をしながらの練習だった。
1ヶ月の短期留学で、ほぼ毎日練習があったのだが、
最初のおもしろがって参加していた人たちも、
だんだんと来なくなっていった。最後には4,5人になったと思う。
そんなき毎朝、我々の練習している前を
スタスタと歩いて通り過ぎていくおじさんがいた。
驚くべきことに、なんとそのおじさんの格好は、
ランニングシャツに半ズボンだった!
川も凍って動かない北京で、その姿は信じがたいものだ。
腕も太腿もあらわになっている。
普通そんな寒さでは、腕や腿は寒さで変色するものだが、
そのおじさんの手足は、まるっきり普通の色のままだった。
「これはただものではない。」と思ったが、
練習中のこととて、声もかけられず見送るしかなかった。
そのため、なぜあのおじさんがあんな格好で何ともないのか、
結局わからずじまいだった。
きっと何かの修練を積んでいたのだろうと思う。