鵜沼宏樹さんのこと(2)

鵜沼さんから教わったことは多いが、
特徴を言うならば、広い空間を意識したイメージを多用することだった。
気功にしても武術にしても、それまで知っていたものより、
広大な土地中国で伝えられたものであることがよくわかる内容だった。
また、私が教わった範囲でしかないが、
王選傑の大成拳というのは、
イメージを使いながら、ひたすら立つ練習を通じて、手足を重くし、
私に示したような驚異的な打たれ強さを養うものであった。
もちろん段階が進めば、もっと奥深い内容があるのだろうと思う。
このように素晴らしい実力を持つ鵜沼さんだが、
武術が専門ではなく、鍼灸や気功による治療を専門にしておられる。
日本で気功を普及させた有名人である帯津良一さんの医院で、
長く気功を中心とした治療を行っておられたが、
現在は池袋で治療院を開業しておられると聞く。
普通気功を指導する人には、宗教的色彩を帯びる人が多い。
そうした人の中で、口では立派なことを言っても人格が伴わない人も多い。
鵜沼さんは、そうした宗教的な要素も有効な治療法の一つとして
認めつつも過度に宗教的な面に傾斜せず、冷静で理性的な面を持ち、
きちんとバランスをとっておられるように見受けられる。
これまでメディアから何度も取材を受けられ、
著書も数冊出しておられる。
おそらく代表作である「医療気功」からは、
鵜沼さんの真摯さが窺えるのではないだろうか。

医療気功

医療気功