上海の詐欺

今日は上級班の中国人講師による会話授業だった。
今日のテーマは「詐欺」だったので、いろいろな話が出たのだが、
中国人の先生が巻き込まれかけた詐欺の話。
上海に豫園という有名な観光地がある。
その中に、これまた有名な小龍包の店があり、
先生はこの店で小龍包を食べた後、店を出たところ、
突然肩を叩かれた。見ると一人の中国人男性だった。
彼は「財布を落としましたよ。」と財布を見せた。
あわてて自分の財布を確認したら、ちゃんとあった。
「私の財布はあります。」と答えると意外そうに、
「おかしいなあ。」とその財布の中身を見せた。
中にはびっしりとドル札が入っていた。
その男性は、
「どうです?この財布、我々で分けませんか?」
と言ってきた。
先生は、つい目先の利益にフラッときてしまった。
その男に言われるまま、
山分けできるような人気のない場所へとついていった。
しかしかなり遠い上に、
人通りの少ないところに行くにつれて、
だんだん不安になってきた。
ついには、男とちょっと離れた隙に逃げ出した。
これで事なきを得たのだが、
後に知るところでは、財布の中のドル札は精巧な偽札で、
山分けの場で、きれいに分けられないので、
差額を出してくれと言われて、偽札をもらって
本物の金を取られるというやり口だったそうだ。
先生によると、豫園は観光客が多いだけに、
そうした詐欺などの犯罪者がうろうろしているとのことだ。